部下をもつということ

現場に社員がひとりという業態でなければ、店長になるということは同時に部下社員をもつということになります。
職場の中で自分より下の役職の者とはいえ、アルバイトと部下社員は似て非なるものです。




以前の記事でも触れましたが、ひとつの店舗に配属される社員は1~5名ほどです。
1名だと店長ひとりということになります。
アルバイトだけで1日の運営ができる業態でなければ1名だと店長が休めないということになりますので、最低でも2名はひとつの店舗に配属されることになります。

自分の下に配属される部下社員は様々です。



◆様々な部下たち


年齢


20代前半から40~50代の人まで様々です。
自分より年上の部下ということもあります。
やはり若い方が仕事の吸収は早く、素直さもあるので一緒に働きやすくはあります。
未熟ゆえの無知や無礼や非常識が見受けられることはありますが、そのへんはアルバイトも一緒なので慣れっこです。
アルバイトとは違い、社員として在籍しているので、仕事に対する姿勢がある程度違うので、そういう意味では教育は容易です。
ただ、アルバイトたちとの年齢が近いと馴れ合いが発生しやすくなるので注意が必要です。

ある程度年齢を重ねた部下は知識があり、物分りが良いのですが体力の不足が目立ちます。
年上であっても部下であるということに分別をつけられる人がほとんどですが、無駄にプライドが高い人もいます。
その場合はこちらから年長者を敬う姿勢を見せつつ指示・指導にあたるといった工夫が必要になってきます。
ある程度の社会人としての知識をもってることが多いので正当な扱いを受けないと不満がたまります。



社歴


新入社員もいれば、店長昇格目前の者までいます。
新入社員は何も知らない状態ですので、社員としての業務を1から教えていくことになります。
社会人1年目なのでなにかと心が折れやすい者が多いので、あまり負荷をかけずに頻繁にケアをしてあげながら徐々に仕事に慣れていってもらう必要があります。
人によってはそれを甘やかしだと感じるかとは思いますが、辞めてしまっては全てが無駄になってしまいます。

店長昇格目前の者が配属されれば、店長の仕事は非常に楽になります。
仕事ができるから店長昇格目前であるわけなので、仕事ができる部下がくれば楽になるのは当然です。
しかし、店長昇格目前の部下をもつということはそれだけの責任もともないます。
その部下が店長昇格目前にも関わらず退職したいと言い出したとあれば、『店長は一体なにをしているんだ?』という話になるからです。



性別


ほとんどが男性なのですが、稀に女性もいます。
女性の場合は男性に比べて体力が少ないことがあったりするので気にかけてあげなければなりません…とかいうようなことも気をつけて発言しないとセクハラや女性蔑視などといった問題になることがあるので注意が必要です。
結婚や妊娠などで急に退職を申し出られうこともありますが、これは仕方ないですね。



性格


ノリが良くてアルバイト受けは良いけれど仕事がずさんであったり、内向的すぎてアルバイトに指示を出せないけどまじめに勤務する姿勢で信頼を集めていたり、褒められてのびる者も叱られてのびる者もいますし、一見生意気だけど実は礼儀正しかったり、一見従順だけど裏でグチグチ文句を言っていたり…etc.

人間ですから当然、性格も様々です。

問題は店長も人間だということです。
店舗には社員が少数しかいませんので、人間的にウマが合わないとなかなか大変です。
店長が上司なのだから部下が合わせるべきだという考え方と、むしろ上司なのだから部下に合わせてあげるべきだという考え方があると思います。
個人的には上司が先に歩み寄るべきだと思っています。



モチベーション


飲食業が大好きでやる気に満ち溢れている者もいれば、配属されてきた時点で『実は退職したいと考えているんです…』と打ち明けてくる者もいます。
やる気に満ち溢れている者にはどんどん仕事を与えてあげれば良いですね。
退職を考えている者に過剰な仕事を与えたところで成果も出ませんし、その尻拭いをするのも店長だし、退職の意思は固まるしで良いことはひとつもありません。

飲食業に従事する者で退職したいと考えている人は
①労働環境が過酷
②漫然と飲食業を続けることが将来的に不安
のどちらかであることがほとんどなのでそれを取り除いてあげましょう。

労働環境は店長の采配でどうにでもなりますし、将来的な不安は店長がライフワークバランスの優れた姿を見せてあげれば良いだけです。


ちなみに最初から飲食店店長として一生働くと決めている人はほとんどいません。



◆最後に


このように部下は様々です。
どんな部下が自分の下にやってくるかは会社の思惑や、自分が今までしてきた仕事次第です。
部下によって自分の仕事が楽になることもありますが、その逆もたくさんあります。

そんな中で僕が部下をもつ立場として忘れないでいようと心がけていることは
・部下はひとりの人間であること
・部下は会社の財産であること
です。

部下は部下である前にひとりの人間です。
仕事が出来ようが出来まいが、ひとりの人間です。
友達や家族などの大切な人をもつひとりの人間なのです。
その尊厳を汚すような振る舞いは上司としてすべきではないです。
自分がライフワークバランスを大切にしているのと同じように、部下のライフワークバランスも大切に思うようにしています。

部下は自分の部下である前に自分と同じ会社の社員です。
部下が自分の下に配属されるまでに会社のお金が使われているのです。
採用自体にもお金はかかっています。
今まで支給された給料も会社のお金です。
『あいつ仕事ができなくて使えないからいつ辞めてもらってもいいんだよ』というスタンスで部下に接する店長がいますが、それは極めて無責任で自己中心的な姿勢であると思います。

部下の悩みはつきませんがこれを忘れずにいれば結果はついてくるものです。

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